目標13気候変動に具体的な対策を 世界が抱える課題/問題
ここ数年を振り返ってみたときに、冬場にあまり雪が降らなくなったとか、夏場の暑さが異常だったなぁとか、異常気象というワードをメディアでよく耳にしたり、そんな感覚をお持ちではないでしょうか?
気象状況については様々な議論がありますが、地球の平均気温が上昇していることは、まぎれもない事実です。
気温がこのまま上昇し続ければ取り返しのつかないことになります。
それをなんとかしようというのが、SDGs目標13『気候変動に具体的な対策を』です。
キーワード 2℃の重要性
地球温暖化対策には、これ以上気温が上がらないようにと決められた世界共通の長期目標があることはご存知でしょうか?
具体的な温度上昇抑制の目安は、世界的な平均気温上昇を産業革命前(1880年)に比べて2℃以下に抑えることを目標とし1.5℃以下に抑制すること努力目標とする、とされています。
2015年11月30日~12月13日にフランス・パリで開かれたCOP21『パリ協定』にて採択されました。
世界的な平均気温の上昇を2℃以下に抑える、文面だけ見ると『たった2℃』と感じる方もいると思いますが、実は平均気温が2℃上昇すると、地球は人間がなんとか自然と共存して耐えられる限界レベルに達すると言われています。
地球の年間平均気温が15℃であるのに対し2℃あがり17℃になる。
これを人間の体温に換算すると40℃以上の高熱に相当します。
実際にどのようなことが起こるかと言うと、
- 海面上昇による高潮や沿岸部の洪水
- 気象災害の苛烈化による鉄道や送電線などのインフラ機能停止
- 熱波による死亡やマラリア・デング熱などの感染症の蔓延
- 気温上昇や干ばつによる食糧不足や食料安全保障の問題
- 水資源不足と農業生産減少
などなど、挙げていくとキリがありません。
全国地球温暖化防止活動推進センターが公表している1950年から2100年までの温暖化予測では、2025年~2030年辺りの上昇気温が1.5℃を超え、2050年には2℃、2081年~2100年には最大4.8℃の気温上昇が予測されています。
数字だけ見ても早急になんとかしなければならないと、分かっていただけるかと思います。
私たちに何ができる?
では、私たちにできることは何かないのでしょうか?
一番効果的なことは、温室効果ガスの排出削減に努めることです。
- 太陽光発電などのクリーンエネルギーを積極的に使う
- 家の照明をLED照明に変える
- 再生可能エネルギーの積極的な利用
- 普段買うものをC02排出量の少ない商品を基準に選ぶ
- 地産地消商品を積極的に購入する
- 気候変動による防災に対する備えを日々心掛ける
- 歩いての移動や自転車での移動を心掛ける
- 部屋の電気を使い終わったら消すようにする
- エアコンを付けているときに部屋の戸を開けっ放しにしない
- 温室栽培ではなくできるだけ旬の野菜を食べる
など、すぐにでも実践できることが多くあります。
日本が取り組むべき電力課題
資源の乏しい日本では、いまだ80%以上を海外から供給される化石燃料に頼っています。
しかし温暖化防止の観点からも、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスといった再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で重要な低炭素の国産エネルギー源への早急なシフトが課題とされています。
SDGsの目標達成は、まず自分たちできることから始めることが重要です。
日常的に使っているエネルギーを抑制し、再生可能なエネルギーに目を向けることが大きな一歩となります。
☟その他世界の現実:数値で見る課題・問題
- パリ協定では地球温暖化を1.5℃に制限することを求めている。これは世界の温室効果ガス排出量を2030年までに2010年レベルから45%急減させ、2050年までに正味ゼロ排出を達成する必要がある。
- 新型コロナウイルスの影響で2020年の温室効果ガスの排出量は6%減少する見込みである。しかし目標である気温上昇を1.5℃までに抑えるためには、年間7.6%ずつ削減する必要があり、早急な対応が必要と言える。
このような課題/問題を解決するためにSDGs目標13気候変動に具体的な対策をではどのようなターゲット・指標が設定されているのでしょう?
目標13気候変動に具体的な対策を ターゲットと指標
目標13気候変動に具体的な対策をでは、5つのターゲット(具体的な取り組み内容)と、8つの指標(達成・未達成の判断基準/項目)が設定されています。
それでは、どんなターゲットや指標があるか見ていきましょう。
↓初めは数字表記のターゲット及び指標
ターゲット(具体的な取り組み内容) | 指標(達成・未達成はどんな指標で判断?) |
13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジリエンス)及び適応力を強化する |
13.1.1 10万人当たりの災害による死者数、行方不明者数、直接的負傷者数 |
13.1.2 仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数 | |
13.1.3 仙台防災枠組み2015-2030に沿った地方レベルの防災戦略を採択し実行している地方政府の割合 |
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む |
13.2.1 気候変動の悪影響に適応し、食料生産を脅かさない方法で、気候強靭性や温室効果ガス低排出型の発展を促進するための能力を向上させる統合的な政策/戦略/計画(国の適応計画、国が決定する貢献、国別報告書、隔年更新報告書その他を含む)の確立又は運用を報告している国の数 |
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警告に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する |
13.3.1 緩和、適応、影響軽減及び早期警告を、初等、中等及び高等教育のカリキュラムに組み込んでいる国の数 |
13.3.2 適応、緩和及び技術移転を実施するための制度上、システム上、及び個々人における能力構築の強化や開発行動を報告している国の数 |
↓ここからアルファベット表記のターゲット及び指標
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミュットメントを実施し、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる |
13.a.1 2020~2025年の間に1,000億USドルのコミュットメントを実現するために必要となる1年当たりに投資される総USドル |
13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する |
13.b.1 女性や若者、地方及び社会的に除外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動メカニズムのために、専門性なサポートを受けている後発開発途上国や小島嶼開発途上国の数及び財政、技術、能力構築を含む支援総額 |
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