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習慣化が圧倒的な差を生む【5S:躾】重要な考え方・具体的例を紹介

5S,躾
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5S活動:整理・整頓・清掃・清潔・躾の5番目、『躾』についてお話させていただきます。

 

前の記事で

整理・整頓・清掃⇒この3つは『物理的な改善』⇒実際に身体を動かし、改善する

清潔⇒『維持』⇒上記、整理・整頓・清掃を維持する

と、お話をさせていただきました。

 

↓↓『整理』『整頓』『清掃』『清潔』の詳しい解説記事はこちらから

⇒行動のムダがなくなる!【5S:整理】の具体例とメリットを解説

⇒ムダのない職場を作る【5S:整頓】の重要な考え方・具体的なアクションプランを解説

⇒職場にやる気を吹き込む!【5S:清掃】の重要な考え方・具体的アクションプランを解説

⇒【5S:清潔】清潔な状態を維持するには『割れ窓理論』が重要!

 

では、躾とは

決められたことを正しく守る習慣を、身に着ける・身に着けさせること。整理・整頓・清掃・清潔が当たり前にできる習慣付けをすること。

 

躾のポイントは『習慣化』です。

 

しかし、会社・職場に躾をおこない、習慣化まで持っていくのはとても難しいことです。

実際に躾をしているつもりでも、中々定着しないという方は多いのではないでしょうか?

 

今回はその躾⇒習慣化を身に着けるための、重要な考え方と、躾を実際に機能させるための、具体的なアクションプランを解説していきます。

 

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躾⇒習慣化を身に着けるための重要な考え方

躾⇒習慣化を身に着けるために、重要な考え方は以下の2つです。

  • 躾の徹底で人は育つ
  • 躾は社員全員で行う

一つずつ解説していきます。

 

躾の徹底で人は育つ

今までに解説してきた整理・整頓・清掃・清潔は『ものや製品に対するアプローチ』でした。

今回の躾は、整理・整頓・清掃・清潔を維持する『人間に対してのアプローチ』になります。

 

躾の前の行動で、すでに現場の改善は進んでいます。

今回の躾では、『きれいにする習慣を継続的に維持する人材を育てる』

これができて、初めて5S活動は完成します。

 

躾の目的は『会社員として当たり前のことを、当たり前のように考え行動できる人材を育てる』

これが、最終的な目標です。

ルールを守るのはもちろん、『マナー』や『モラル』を守れる人材を育てることも、5S活動の躾では重要になってきます。

 

社会人として周囲と協調が図れることが、最低限の基礎です。

この基礎が、他の活動に取り組むにあたっての、ベースになりますし、人としての成長の基盤になります。

 

躾は社員全員で行う

躾では、自発的に各個人が5S活動に意識を向け、『社員全員』が『社員全員に対して』躾をおこなえるような体質に持っていくことが理想です。

 

もちろん、初めはTOP・管理者からの教育や、指示が必要になってきます。

しかしこの状況は、『言われたからやる』『仕方なくやる』という意識のもとでの活動になりやすく、躾の目的でもある『習慣化』まで持っていくのが難しいと思います。

いわゆる、受け身の状態です。

 

先ほどと言ってることが矛盾したように聞こえるかもしれませんが、やはり社員1人1人が自分で自発的に考え行動する体質になるには、TOP・管理者の行動次第です。

 

5S活動にTOP・管理職などの肩書は関係ありません。

教育・指示だけでは終わらず、TOP・管理者自らが規範になり、社員を律する姿勢が重要です。

この考えで活動を繰り返すことでしか、習慣化を定着させる方法はないと言っていいと思います。

 

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躾⇒習慣化を機能させるための、具体的例を紹介

前章で、躾⇒習慣化を定着させるには簡単ではないと解説しましたが、実際に私が職場で実行し効果的であった内容を紹介します。

  • 工夫したルールを決定・実行(面白い仕掛け)
  • 必要であれば個別指導

一つずつ解説します。

 

工夫したルールを決定・実行(面白い仕掛け)

ここでいう、ルールとは『きれいな身なりで仕事をする』だったり『きれいな状態を保つよう活動する』といったルールではありません。

 

すでに、上記のようなルールは整理・整頓・清掃・清潔の活動で作ったはずです。

その内容を再度周知しても、躾の目的である、

『会社員として当たり前のことを、当たり前のように考え行動する人材を育てる』を達成するには至りません。

 

どのようにすれば、個人が自発的に考え行動してくれるか?

 

これを本質的に考え、考案・実行した内容を下記に示します。

 

◆職場のスペック◆

従業員20名の製造現場・ある程度、整理、整頓、清掃、清潔に関しての知識・意識があるメンバーが揃っているが自発的に活動をするまでは至っていない・4名ほどルールを守らないメンバーがいる

 

◆チーム分け◆

従業員20名を2チーム(10名・10名)に分ける・ルールを守らないメンバーは2名ずつ配置

 

◆考案した内容を実施する頻度◆

毎週火曜日と金曜日の就業前10分で実施(週2回で設定)

※毎日はしんどいと思ったから。継続性を重視。

 

◆考案した内容◆

・チームメンバーの生産実績の平均を集計し、負けた方がその日の就業時の掃除をすべて実施

・勝ったチームはその10分を使って、もっと生産性を上げるにはどうすればいいか話し合い

部品の位置をここにした方がいいのでは?

作業方法をこのようにしたらもっと生産性が上がるのでは?

そもそもこの棚の位置では、歩くロスが多すぎる?

とかを話してました。

 

◆この活動の狙い◆

自発的な考え行動を促すために、自分の工程を良くするために考える時間を確保・実行して従業員に成功体験を得る機会を与える。

※従業員が自発的に考え行動するためには、『もっとやりたい』『楽しい』と思ってもらうことが一番重要と考えたため。

 

このような内容を仕掛けてみました。(内心うまくいくかどきどきでしたが)

 

ここでいう、ルールの設定はこの仕掛けを週2回やる、というルールです。

人間の本能である、競争意識に働きかけ、チーム戦なので他の人に迷惑を掛けたくないという気持ちもかなり刺激した内容になりました。

 

やっている内容、躾⇒習慣化に関係なくない?と思う方もいると思いますので、この活動で得られた効果・波及効果を紹介します。

効果・波及効果

  • 生産性が1.2倍に向上⇒負けたくない、掃除したくない、迷惑掛けたくないとの意思が働く
  • 生産性を上げるための話し合いにより、現場のレイアウトが効率化
  • チーム内で決めたことを、守り切らなければという意識が芽生える
  • 負けたくないので、どのようにすれば生産性が上がるか自発的な意見が多数でるようになる
  • この活動で、自発的に考えたことが採用され、生産性が上がり、従業員各個人が成功体験を得られた⇒整理・整頓・清掃・清潔に向く意識が格段に上がる
  • マナー、モラルも明らかに向上した

正直初めは、ぐだぐだな部分もありました。

しかし、2ヶ月もすると、この活動が従業員にとって当たり前になり、今までにはほとんどなかった従業員からの提案が明らかに増えました。

 

これを継続するには、従業員からの提案を具現化するためにTOP・管理者も必死になります。

しかし、これに必死に答えるTOP・管理者の姿を見て、従業員も5S活動をより良くするために協力する姿勢を示してくれます。

 

ここまでくれば、躾の目的『会社員として当たり前のことを、当たり前のように考え行動する人材を育てる』に近づいたと言っていいと思います。

 

自分の会社・職場に合った工夫した活動が『躾⇒習慣化』を勝ち取る唯一の道であると考えます。

 

 

必要であれば個別指導

前章では、うまくいったことだけ書きました。

実際には2名ほど、この活動に不満を持ち、非協力的なメンバーがいました。

 

このようなメンバーを見て見ぬふりする訳にはいきません。

これを放置すると、他のメンバーへの影響が大きいからです。

 

ここでの個別指導は『みんなやっているのに、なんでお前だけやらないんだ!』なんて言葉は絶対に言ってはいけません。

自分をあたかも正当化した、言い訳しか出てこないからです。

 

ルールを再教育、これもほとんど意味がないと思っています。

 

私が重要視するのは、個別指導と言っても、当人の腹に溜まった不満をすべて話せるような雰囲気を作ることだけです。

 

その話を聞いたうえで、こちらの思いを促すように話して、本人に決断させます。

これからは、『やるのか』『やらないのか』

 

この例の場合は、1名はこちらの思いを理解し変わってくれましたが、もう1名はダメでした。

本人の意思で退職していきました。

 

このようなことは仕方のないことだと思っています。

 

1名退職したあとは、少し大変な時期もありましたが、その対応を見ていてくれた他の従業員が私のことを助けてくれました。

TOP・管理者が真剣に取り組むことの重要性を感じた出来事でした。

 

その後、新しいメンバーを増員しましたが、その時にはこのいい状態が現場で普通になっていたので、すんなり定着。

 

この現場は、今も生産性、品質ともに顧客からも社内からもとても良い評価をもらえています。

 

躾の目的は『会社員として当たり前のことを、当たり前のように考え行動できる人材を育てる』

従業員の自主性を尊重し、良い躾⇒習慣化を身に着けてほしいと思います。

 

記事は以上になります。

 

☟5Sについて教養を極めたい方は、こちらの本がおすすめ

 

 

 

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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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