5S活動:整理・整頓・清掃・清潔・躾の3番目、『清掃』についてお話させていただきます。
5S活動の『1番目:整理』、『2番目整頓』ができたら、きれいな状態を保つための『清掃』です。
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清掃とは
清掃で重要な考え方
清掃活動を行う上で、重要な考え方は以下の2項目です。
- 清掃の原点はその場で、すぐにきれいにすること
- きれいを維持させるには、発生源からつぶす観点が重要
一つずつ解説していきます。
清掃の原点はその場で、すぐにきれいにすること
職場で清掃の時間を決めて、清掃活動に取り組んでいる会社・職場をよく見かけます。
とてもいい取り組みですが、この取り組みには、大きな欠点があると考えています。
従業員はその清掃活動を実施する時間だけ、清掃をすればいいという、固定観念が付きがちです。
『清掃の原点はその場で、すぐにきれいにすること』この考えが重要になってきます。
例えば、皆さんが食事をしようとお店に入り、そのお店の机や、床が汚れていたり、ゴミが落ちていたら、どう思いますか?
次から二度と行きたくないな~と思う方が多いと思います。
会社・職場も全く同じです。
顧客が来社され、事務所・工場を見たときに、なんか汚い・ゴミが床に置きっぱなし、このような状況を見た顧客はどのような印象を持つでしょうか?
おそらく、この会社に任せて大丈夫だろか?と不安を与えることにもなりかねません。
このような状況を極力避けるためにも、『その場で、すぐにきれいにする』
この意識で取り組む姿勢が重要です。
清掃で『きれい』が維持できれば、汚さなくなりますし、会社・職場が汚れなくなると業務・製品の質も必然的に上がります。
『清掃』は、ただきれいにする活動ではなく、会社・職場の品質維持の一環とも言える取り組みです。
きれいを維持させるには、発生源からつぶす観点が重要
前章では、清掃に取り組み姿勢、考え方をお話させていただきましたが、ここでは、そもそも清掃の頻度を減らす観点の重要性をお話させていただきます。
もちろん、汚れたらすぐにきれいにする。
この観点を持っての清掃活動は重要です。
しかし、もっと良い考えは、『そもそも清掃活動が必要になっている発生源をつぶせないか?』
この考えも重要になってきます。
設備を使用し、製品を作っている会社を例に取り上げると、
その設備は構造上、どうしても原材料が散らかったり、油が漏れてしまい汚くなってしまう。
そのような工程を清掃で随時、きれいな状況を保つのは至難の業です。
清掃しろと従業員に指示しても、頻繁に汚れる状況では、『後でいいか』『まとめてやろう
このような心境にどうしてもなってしまいます。
ここで、あきらめるのではなく、なんとかして、この汚れの発生源をつぶせないか?の観点を持ち考えることが重要になってきます。
このような工夫をしながらの発生源対策に取り組むと、従業員の気づきが増え、職場の活性化にも繋がります。
気づかない人に『掃除しなさい』と指示をしても、維持することは困難でしょう。
そのようなことより、
- 清掃は、その場ですぐに、きれいにすること
- 汚れを発生させる、発生源からつぶす観点
この二つの考えが、清掃活動を円滑、また有効的に進めるためには重要になってきます。
清掃活動の具体的なアクションプラン
ではここで、清掃活動を活発的に進めるための、具体的なアクションプランを解説します。
以下の2項目です。
- 清掃道具を、ちゃんとそろえる
- 清掃の習慣化を進める・定着させる
一つずつ解説していきます。
清掃道具を、ちゃんとそろえる
清掃活動を、円滑に有効的に進めるためには、清掃道具をちゃんとそろえることが重要です。
そんなの当たり前でしょ?
と、思われる方も多いと思います。
しかし、自分の会社・職場を確認してみてください。
こんなことはありませんか?
- そもそも、掃除をするのに適正な道具がそろっていない
- ほうきはあるが、ぼろぼろ・ちりとりは穴が開いている
- モップはあるけど、モップ自体が汚い状態
- 掃除道具はあるけど、取りに行くのに、その場を離れなくてはいけない場所にある
ここで言う『掃除道具をちゃんとそろえる』は
掃除道具が、機能的に考えられた場所に設置してあり、本来の働きをする機能が保持されていて、場所にあった適正な道具が用意されている。
ということです。
人間の心理的にも、きれいな清掃道具であれば、大事に使おうという心理が働きますし、その道具を使用して掃除をすると、きれいを維持しようという心理も同時に働きます。
清掃道具は、
- 機能的な場所に設置
- きれいな状態で管理
- 場所にあった掃除道具を用意
この観点で自分の会社・職場が清掃道具を用意・管理できているか確認しましょう。
それと、従業員は、ほうきがぼろぼろになっていても、中々打ち上げしてくることはありません。
ここは、管理する側が、使う道具にこだわりを持って、定期的に確認するようにしましょう。
『従業員が言ってこないから悪い』
管理する側が、この考えでは清掃活動を維持することは難しいでしょう。
清掃の習慣化を進める・定着させる
清掃を習慣化するには、前章でもお話した通り、『その場ですぐに、きれいにする』
この考えが習慣化に繋がります。
こまめな清掃を心がければ、1回の清掃に掛かる時間は少量で済みます。
例えば、1件処理するのに2分で終わる仕事を、30件まとめれば1時間になります。
そうすると、ついでにやることができず、その仕事をこなすために、1つ自分の仕事のタスクが増えた感覚になります。
人は、やることが増えると、そのことが負荷に感じ、継続することが難しくなります。
継続するためには、今やっている仕事に負荷を掛けず、取り入れることが効果的です。
人の心理的要因からも、こまめに清掃→言い換えると『ついでにやる』
この状況に持っていくことが習慣化させるコツになります。
こまめな、清掃を仕事の一環として取り入れる。
これができれば、劇的に会社・職場はきれいな状態が保たれ、気持ちよく仕事ができますし、清掃までを仕事の一環にすることで、異常に気付く目も養われると断言できます。
最後に習慣を定着させるには、その会社・職場のTOPの『清掃に対する関心度』が重要です。
TOPが清掃にこだわり、活動を進めることで、会社・職場の風土になります。
このTOPのこだわりは、清掃以外にも波及効果があり、従業員を成長させるきっかけにもなり得ます。
是非、TOP自らがこだわり、清掃の習慣を定着させ、より良い会社・職場にして頂けたらと思います。
たかが、清掃・たかが、きれいにする。
この、『たかが』を真剣に考えられる方に、成功が訪れると私は、本心で思います。
記事は以上になります。
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