5S活動:整理・整頓・清掃・清潔・躾の4番目、『清潔』についてお話させていただきます。
5S活動は4番目の清潔から、毛色が変わります。
今までお話してきた『整理・整頓・清掃』
この3つは、実際に行動して、会社・職場を改善していく『物理的な改善』です。
↓↓『整理』『整頓』『清掃』の詳しい解説記事はこちらから
⇒行動のムダがなくなる!【5S:整理】の具体例とメリットを解説
⇒ムダのない職場を作る【5S:整頓】の重要な考え方・具体的なアクションプランを解説
⇒職場にやる気を吹き込む!【5S:清掃】の重要な考え方・具体的アクションプランを解説
では、清潔とは
そうなんです。
清潔から、整理・整頓・清掃で実施した内容を維持していくという活動に変わります。
ポイントは『維持する』です。
会社・職場で、清潔を維持するための重要な考え方
会社・職場で、清潔を維持し、継続的に管理していく考え方はこれだけです。
解説していきます。
『割れ窓理論』の考えで管理しろ!
まずは、『割れ窓理論』って何?という方のために、解説します。
『割れ窓理論』※別称:ブロークン・ウィンドウ理論
大きな問題が起こる裏には、このような小さな不正を放置した結果であるってことです。
5S活動の清潔を維持していくには、この考えを理解し、割れ窓理論にならないように、日々管理していく必要があります。
これは、簡単なことではありません。
5S活動の整理・整頓・清掃が適正にできるだけでも、かなりの労力を必要としますが、清潔を維持するためには、それ以上の労力を必要とします。
しかし、言い換えれば、定着したときのメリットはとても大きいです。
ただ、会社・職場がきれいな状態が保たれるだけではなく、
- 従業員のルール・決めごとに対する遵守率の向上
- きれいを維持していることによる、顧客からの信頼獲得
- 管理者の指導力向上
このような、大きなメリットがあります。
もちろんきれいを維持していれば、活動中でのロス時間が減りますので、生産性が上がり会社・職場の業績も間違いなく上がります。
ここで『割れ窓理論』を意識し活動した例を一つあげると、
『ディズニーリゾートの園内清掃』です。
ディズニーランド、ディズニーシー、皆さん行ったことありますか?
行ったことがある方ならわかると思いますが、ゴミ一つ落ちてませんよね。
カストディアルキャスト(清掃スタッフ)がパーク内を随時、清潔に保つよう活動しているからです。
清潔さの基準は『赤ちゃんがハイハイしても汚れない程度』だそうです。
なぜ、ここまでやるのでしょうか?
人は、自分の中で背徳感(後ろめたさ)を感じる行動をとるかどうか迷ったとき、「自分がやってもどうせばれない」や「他の人もやってるし」などと自分自身の責任を低下させるような判断をして、行動してしまう性質があります。さらに、この「自分がやってもばれない」という心理が拡大していき、より悪質な行動を取るようになります。
わずかな風紀の乱れが、他の人へ伝達して拡大するのを防ぐためには、乱れが小さいうちに取り除いてしまうことが重要になります。
それがたとえどんなに小さな乱れでもです。
このように、日々従業員の意識の高さにより、ディズニーランド/シーの清潔さは保たれています。
まさに『割れ窓理論』を意識した活動ですね。
これは、自分の会社・職場でも、当てはまると思います。
5S活動の清潔を維持するには『割れ窓理論』
これを常に意識した活動を実施することで、会社・職場の清潔は保たれます。
清潔な状態を保つための、具体的なアクションプラン
では、清潔な状態を保つためには、具体的に何をすればいいにでしょう?
- 清潔な状態を見えるようにする
- TOP・管理者が率先して実践、誘導する
一つずつ解説します。
清潔な状態を見えるようにする
ここでいう、見えるようにするとは、『誰でもどのような状態が清潔であるのかを明確にわかるようにする』ということです。
清潔感を維持しなさい!と指示を出したところで、清潔の捉え方は人それぞれ違います。
その基準をなるべく近づかせて、共有するためには、それぞれの基準を作り共有する必要があります。
例①、身だしなみに関する基準。
職場では指定された服装・保護具を着用し仕事をすることも多いと思います。
そのような場合、服装・保護具を『どのように着用し、どの程度維持しておくかを決めておくこと』が重要になってきます。
一番効果的だと思われるやり方は写真を撮り、帳票にまとめることです。
服装・保護具を正しく着用した姿、各箇所のポイントを誰が見ても分かりやすくまとめ、共有する道具があると分かりやすいです。
そのような形で、皆の基準を作ることで、清潔の基準が統一され清潔を保つ助けになります。
もし、守っていない従業員がいたとしても、その基準のもと注意喚起ができますので、注意する人によって違うことを言われるというような不満も減らすことができるでしょう。
例②、作業環境に関する基準
作業環境とは、デスクワークなら机・机の引き出し、作業現場なら作業台や・部品棚等のことです。
こちらも、例①同様に、『どのような状況になっていることが清潔を保っているか』その基準を決めることが効果的です。
こちらも、写真を撮って、『清潔な状況とはこのような状況』と誰が見ても分かるようにしておく必要があります。
このような地道な活動が、会社・職場の清潔感を維持するためには必要な活動と考えます。
しかし注意点が一つ。
今までこのような活動を実施したことのない会社・職場にスピード感をもって導入をすると、従業員からの反発が起こることがあります。
5S活動の清潔を維持する体質に変えるには、とても時間がかかります。
あまり焦らず、少しずつ従業員の理解を得ながら、導入する考えで活動することを、おすすめします。
TOP・管理者が率先して実践、誘導する
これは5S活動の清潔を会社・職場に定着し、維持していくには必須項目になります。
導入前にいったん止まって考えてみましょう。
- 清潔の活動を指示するTOP・管理者の机がいつも汚い。
- 従業員に指示するだけで、TOP・管理者は清潔活動を維持する実務に入ってこようとしない。
これでは、指示されている従業員が頑張って清潔を維持しよう!とは思いませんよね。
まずは、会社・職場に清潔の活動を定着させたいのであれば、自分の行動を見直す必要があります。
※できている人は問題なしです。
今できていないのであれば、今から自分の行動を見直し、ある程度、自分の中で定着してから従業員に落とし込みするようにすれば、活動推進に対する説得力が増します。
この結果、従業員も初めはいやいやかもしれませんが、継続することで、定着し、大きな効果を得ることになるでしょう。
5S活動の清潔では、すべての活動の裏で『割れ窓理論』を意識し活動することが重要です。
是非、実施していただき、今以上に働きやすい会社・職場を作っていきましょう。
記事は以上になります。
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