目標5ジェンダー平等を実現しよう 世界が抱える課題/問題
私たちは小さいころ『女の子だから、おしとやかにしなさい』『男の子だから、しっかりしなさい』とか言われた経験はありませんか?言っている人はその言葉に差別的な意味合いなどは持たずに言っている場合が多いですが、それこそが大きな問題を引き起こしています。
世界では女性に生まれたから教育は必要ないと常識のように語られる地域があります。
女性は働きに出るのではなく家の仕事をするもの、若いときに子供を産むもの、それと対照的に男性は家のことはせず外に働きに出るもの、こんな考えが長い間、そして今も悪気なく常識のように深く人々の心に根ざしている考えです。
しかし、これからの時代、性別によって生き方を不当に決められるということは害でしかありません。
世界の人が等しく、幸せに生きていくために性別にとらわれない社会を作っていく。
これが今回のテーマ、SDGs目標5ジェンダー平等を実現しようです。
ジェンダー平等を実現しようでは、2つのことを理解する必要があります。
- 女性への不当な扱いを排除すること
- 男性・女性といった性別にとらわれない人のことを理解すること
一つづつ解説します。
女性への不当な扱いを排除すること
世界の地域によっては女性であることだけで、充分な食事や医療が受けられず死亡率が高くなるケースがあります。また性別による体格差によって女性は理不尽な暴力やハラスメントを受けることが多くあります。
全世界で毎年、約1500万人の女児が18歳未満での結婚を強いられているというデータもあります。
これらを解決するためには、SDGs目標4にも設定されています『質の高い教育をみんなに』が大きな力になりえます。
※目標4質の高い教育をみんなに|世界が抱える課題/問題/ターゲット/指標
女性が家庭もしくは単純な労働力として縛られるのではなく、等しく教育を受けることで社会進出をしていくきっかけにもなります。
また、それにともなって重要なのが雇用条件の撤廃です。
これらは日本も充分な成果が出ていません。自分の周りを見てみてもまだまだ女性の社会進出、管理職・役員への起用は少ないのが現状です。
また、女性の活躍を後押しするうえで、大切なのが産休・育休のケアになります。女性が取得できるのはもちろんのこと『育児は女性がやるもの』という考えをなくすには男性も育休を取得しやすい環境を整えることも重要になってきます。
日本は世界に先駆けて6ヶ月以上の有給育児休業期間を設ける法整備を行った世界で唯一の国となりました。2020年には小泉進次郎環境大臣が育休を取ったことが話題になりましたね。しかし今現在、日本男性の育児休暇取得率はままだま低い状況です。
女性の力はこれからの社会発展において欠かせない能力です。それを活かせる環境がないということは、社会全体においてマイナスになることは間違いありません。
男性・女性といった性別にとらわれない人のことを理解すること
人類は長い間、生まれた身体の性だけで人を判別してきました。
しかし、人には身体だけではなく『心の性』『好きになる性』の自由があります。
男性に生まれても心は女性である人、女性に生まれても女性を好きになる人、それを理解することもジェンダー平等を実現するうえで重要なことと言えます。
日本は長い間テレビなどでセクシャルマイノリティーを笑いにしてきました。そしてまだまだそのような偏見にもとづく差別的な笑いがあることに驚きます。
自分と違う価値観を認めず、間違っていると決めつける思考から差別は生まれます。
『自分は差別なんかしない』という良心を持つことも重要ですが、常識にもとづく良心から、時に知らない間に差別を生んでいることもあります。
これからは広い世界のこと、自分以外の人の価値観を知っておくことが、差別をなくす重要な要素になると言えます。
☟その他世界の現実:数値で見る課題・問題
- 106ヵ国で実施された調査で、2005年から2017年の間に15歳から49歳までに女性と少女の18%が親しいはずのパートナーからの暴力を経験している
- 2019年、女性は世界労働者の39%を占めたが、管理職の女性の割合は28%にとどまっている
- 女性は、給料が支払われない高齢者介護や子どもの世話、家事に男性の3倍の時間を費やしている
このような課題/問題を解決するためにSDGs目標5ジェンダー平等を実現しようではどのようなターゲット・指標が設定されているのでしょう?
目標5ジェンダー平等を実現しよう ターゲットと指標
目標5ジェンダー平等を実現しようでは、9つのターゲット(具体的な取り組み内容)と、14個の指標(達成・未達成の判断基準/項目)が設定されています。
女性の活躍、いろいろな価値観への理解を深めるためにも、どんなターゲットや指標があるか見ていきましょう。
↓初めは数字表記のターゲット及び指標
ターゲット(具体的な取り組み内容) | 指標(達成・未達成はどんな指標で判断?) |
5.1 2あらゆる場所における全ての女性及び少女に対するあらゆる形態の差別を撤廃する | 5.1.1 性別に基づく平等と差別撤廃を促進、実施及びモニターするための法律の枠組みが制定されているかどうか |
5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び少女に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する |
5.2.1 これまでにパートナーを得た15歳以上の女性や少女のうち、過去12ヶ月以内に、現在又は以前の親密なパートナーから身体的、性的、精神的暴力を受けた者の割合(暴力の形態、年齢別) |
5.2.2 過去12ヶ月以内に、親密なパートナー以外の人から性的暴力を受けた15歳以上の女性や少女の割合(年齢、発生場所別) |
5.3 未成年の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する |
5.3.1 15歳未満、18歳未満で結婚及びパートナーを得た20~24歳の女性の割合 |
5.3.1 女性器切除を受けた15~49歳の少女や女性の割合(年齢別) |
5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する |
5.4.1 無償の家事・ケア労働に費やす時間の割合(性別・年齢・場所別) |
5.5 政治、経済、公共分野であらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する |
5.5.1 国会及び地方議会において女性が占める議席の割合 |
5.5.2 管理職に占める女性の割合 |
5.6 国際人口、開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動網領、並びにこれからの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する |
5.6.1 性的関係、避妊、性と生殖に関する健康について、自分で意思決定を行うことができる15~49歳の女性の割合 |
5.6.2 15歳以上の女性及び男性に対し、性と生殖に関する健康、情報、教育を保障する法律や規定を有する国の数 |
↓ここからアルファベット表記のターゲット及び指標
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源の所有及び管理に対するアクセスを与えるための改革に着手すR |
5.a.1 ①農地への所有権又は保障された権利を有する総農業人口の割合(性別ごと)②農地所有者又は権利者における女性の割合(所有条件別) |
5.a.2 土地所有権及び/又は管理に関する女性の平等な権利を保障している法的枠組(慣習法を含む)を有する国の割合 |
5.b 女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する |
5.b.1 携帯電話を所有する個人の割合(性別ごと) |
5.c ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び少女のあらゆるレベルでの能力強化のたの適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する |
5.c.1 基ジェンダー平等及び女性の能力強化のための公的資金を監視、配分するシステムを有する国の割合 |
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