今回紹介する1冊はこちら!
西條 剛央 著
人を助けるすんごい仕組み
ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどう作ったのか
著者の西條剛央さんは早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は心理学と哲学)。
書籍のメインテーマでもある「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。
宮城県仙台市生まれ、早稲田大学大学院で博士号(人間科学)取得。
プロジェクトを進めるにあたり、考え方の中心になる「構造構成主義」という独自の理論を創唱。
この理論を用い、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら、日本最大級のボランティアプロジェクトへと成長させる。
そんな著者、西條剛央さんが書かれた
『人を助けるすんごいしくみ』ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどう作ったのか
時間のない会社員のために、ざっくり、かつ分かりやすく解説します。
5分で読めますので、是非ご覧ください。
【人を助けるすんごい仕組み】会社員向けざっくり書籍紹介
この本は、こんな会社員の方におすすめです。
- 3.11東日本大震災の裏側で起きていたメディアが報じない事実を知りたい
- ふんばろう東日本支援プロジェクトって何?どんなことしてたの?と思う方
- 一切の給料を払うことなく、多数のプロジェクトを運営可能にしたノウハウを知りたい
東日本大震災の裏側もリアルに書かれています。(思い出したくない方にはおすすめできません)
この本を、一言であらわすなら
自分の会社で組織運営がうまくいかない、そんな方には新たな気づきが必ず得られると思います。
著者の西條剛央さんが提唱する「構造構成主義」を実施する前提条件として
- 方法の原理では、プロジェクトの有用性は、1)状況と、2)目的から規定される
- 現場の状況を踏まえた上での目的の設定
- 被災者と支援する側の関心事と期待値のマッチング
- 計画はたてない
- 任せるとことは任せる
- 勝負ところにはリソース投入
- やってよかったね。で終わる
- モチベーションがすべて。感謝の気持ちがボトムライン
すんごい仕組みの中には、システマチックな構造だけではなく、きちんと人間の気持ちが組み込まれていること。
これには、大いに納得と共感を得ました。
この本で得られるものは
- 東日本大震災で起こっていた事実(FACT)を学べる
- 今後起こりうる震災に対する新たな仕組みや支援活動の在り方が学べる
- 固定的な方法が役に立たないような、未知の状況・変化の激しい状況での具体的な考え方が学べる
東日本大震災の裏で起きていた物語。
壮絶な状況下での取り組み・考え方。
感情の動く体験ができる一冊です。
それでは、本書の概要紹介に移ります。
概要紹介
まずは、著者が書かれている、「はじめに」を引用します。
※こちらでプロジェクト立ち上げまでの経緯がわかります。
なぜ、こんなことになってしまったのだろう?
あの人は、どうすれば助かったのだろうか?
何か自分にできることはないだろうか?
今後どうしていけばいいのだろうか?
この本は、3.11以降、心のどこかにそうした思いを抱いている皆さんに向けて書かれた本です。
あの日、1000年に一度と言われる超巨大地震と、誰もが想定していなかった巨大津波によって1万9000人以上の方が死亡・行方不明となり、「遺体が見つかっただけでよかった」と言わなければならないほどの、深い哀しみに包まれました。
そして原子力発電所の事故によってたくさんの人が故郷に戻ることすらできなくなりました。
仙台出身の僕は、おじさんが行方不明の中、南三陸町に入り、報道をはるかに超える惨状に言葉を失いました。
そして、自治体や拠点避難所には物資が山積みになり、受け入れを断る中で、小さな避難所には物資が届いていない状況を目の当たりにして、大きな衝撃を受けました。
大切な人や街、すべてのものを失った人たちが、さらなる苦境に追い込まれていたのです。
なんとかしなければ・・・。
しかし、沿岸部は東京~大阪間に匹敵する400kmの広域にわたって壊滅している。
被災自治体も機能を奪われている。
個人で物資を運んでもあまりにも微力だ。
いったい、そうすればいいのだろうか?
全国の一人ひとりの力を活かす仕組みをつくるしかない。
そうしてその翌日、「行政を通さずに必要としている人に必要なものを必要な分だけダイレクトに届ける」ことを可能にする、ある仕組みをつくりました。
すると、驚くべきことに、現地で聞いたきた必要物資が24時間以内にすべて届けられたのです。
やはり全国には「何か自分にできることはないだろうか・・・」と思っていた、たくさんの人たちがいたのです。
こうして「ふんばろう東日本支援プロジェクト」が誕生しました。
著者はこのプロジェクトの中で、実際に被災者が必要としている物資を届けるために、数々のプロジェクトを立ち上げています。
- ガイガーカウンタープロジェクト
- 重機免許取得プロジェクト
- 漁業支援プロジェクト
- おたよりプロジェクト
- PC設置でつながるプロジェクト
- ミシンでお仕事プロジェクト
- いのちの健康プロジェクト
- 手に職・布ぞうりプロジェクト
- 学習支援プロジェクト
- エンターテイメントプロジェクト
- 就労支援プロジェクト
- うれしいプロジェクト
これだけのプロジェクトをボランティア支援のメンバーで立ち上げ大きな成果を上げています。
しかし、これだけのプロジェクト。
もちろん、ボランティアの人数は莫大。
そもそも、ボランティアで集まった組織。
善意の気持ちで集まった組織でも、一人ひとりにかかるストレスは図りしれません。
気持ちで集まっている組織なので、気持ちが落ちることは致命傷。
そんな中でも、この組織をまとめていた著者、西條剛央さんは「構造構成主義」の考えに基づき、立ちはだかる多くの壁を突破していきます。
目次紹介
本書は下記のように、進んでいきます。
- 第1章 絶望と希望のあいだ 南三陸町レポート
- 第2章 「ふんばろう東日本」の拡大とインフラとしてのツイッター、ユーストリーム、フェイスブック
- 第3章 「重機免許証取得プロジェクト」陸前高田市消防団と志津川高校避難所
- 第4章 半壊地域の苦境と「家電プロジェクト」の立ち上げ
第1章~第4章までは、著者の体験を内側の視点から、進行形で綴った物語になっています。
この章は、涙なしでは読むことが不可能ではないかと思われる内容です。
- 第五章 「ほぼ日」と糸井重里「西條剛央のすんごいアイディア」外伝
「ほぼ日」とはインターネット上で掲載されている「ほぼ日イトイ新聞」のことです。
ここで著者と糸井重里の対談が取り上げられました。
その対談内容を、著者の視点から編み直したもので、それまでの章の解説にもなっています。
- 第6章 多数のプロジェクトをどのように運営していったか?
夏から冬にかけて、被災地支援プロジェクトがたどった、変遷を描きながら、どのようにして一切の給料を払うことなく、多数のプロジェクトを運営していくことを可能にしたか、そのノウハウを論じています。
この第6章に書かれている、「トラブルを減らすための7か条」
この内容は、どの組織にも使える内容で、会社員なら知っておきたい具体的な内容と考え方がとても参考になりました。
第7章 「一戦必勝」を実現する組織づくりの秘訣
ここでは、一戦必勝を続けるための「無形の形」の組織づくりの秘訣について述べています。
第8章 ポスト3.11に向けた人を助ける仕組みと提言
最後に、この支援活動を通して学んだことから、今後起こりうる震災に対する新たな仕組みや支援活動のあり方、そして行政や日本社会への提言を述べています。
おわりにに記載されている、著者がなぜこの本を書く事になったか?
なぜこのプロジェクトを率いるリーダーになれたのか?
それは偶然なのか?必然なのか?
著者の人生感・人間性・多くの人の人生との関り
心を動かし、今を大切にしなくてはいけない!と思わせてくれる内容で締めくくられます。
『西條剛央著 人を助けるすんごい仕組み ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったか』 おすすめの一冊です。
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