目標12つくる責任つかう責任 世界が抱える課題/問題
現在(2022年4月時点)世界の人口は約78億3700万人、そして2030年には85億人、2050年には97億人にまで増加すると予測されています。
もし今の価値観のまま予想通り人口が増え続けると2050年には地球3個分の資源が必要になると言われています。
そうなると、私たちの生活はどうなるでしょうか?
地球はゴミで汚染され、人々は数少ない資源を奪い合って、今以上に争い合うようになります。
人類は未来を予想し変える力を持っています。
悲惨な未来がくることが分かっているなら、それを変えればいいということです。
その指針がSDGsであり、その中でも特に重要になってくるのが、目標12『つくる責任つかう責任』です。
目指す未来は循環型社会
冒頭にあった目標12のロゴを見ると、矢印が循環し無限のループになっていることが分ります。
これは循環型社会を表しています。
従来の社会は、直線型と呼ばれ『つくる』→『つかう』→『捨てる』という形でした。
それに対して循環型社会とは、商品を企画する段階からライフサイクルをできるだけ伸ばし、『捨てる』の項目を『新しい資源』と捉え廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことです。
地球の資源やエネルギーは永遠ではなく限界があります。
その中で『経済』『社会』『環境』の三つを総合的に成長させようとするためには、資源をムダにしない、持続可能な生産消費形態を確保することが不可欠になります。
そしてそこには、『つくる側』だけではなく『つかう側』にも意識の改革が必要と言えます。
つくる側の責任
つくる側は生産するプロセスの中で、商品のライフスタイルを伸ばし廃棄物の発生を最小限に抑制する方法を見つけ出し、消費側に提供した後のリサイクルやリユースで協力して頂く呼びかけをしていくことも重要になってきます。
新しい3つの『R』
3つのR、Reduce(ゴミを出さない)、Reuse(再使用)、Recycle(再生利用)の考えです。
最近では若い世代を中心に、あらたなRも出てきています。
Reject→プラスティック製のスプーンや割りばしなど使い捨てのものはもらわない
Reform→古着や家具を新装整備して再販売する
Redesign→耐久性を高め長く飽きないデザインでつくる
ゴミになる梱包を極力なくしたり商品そのものの耐久性を高め使用期間を長くすることも重要です。
また、目先の利益を追うとすぐに買い替えてもらいやすいものを販売しがちですが、長い間愛用されるようなもの、メンテナンスや修理を手厚くサポートしていくことも、これからの時代に大切なビジネスモデルとなってきます。
つかう側の責任/消費者から生活者へ
一方消費者側は資源を最大限に活用すことが望まれます。
今メディア等でも問題視されている食品ロスの問題もその一つです。
食品ロスの問題は途上国と発展途上国では発生が異なることをご存じでしょうか?
発展途上国ではインフラが整っていないことによる、消費者に届く前段階での生産や輸送の際に発生することが割合の半分近くを締めています。
つまり発展途上国の食品ロスはインフラ整備を整えることによって防ぐことができる、つくる側の問題となっています。
一方日本のように途上国の場合、食品ロスはつくる側だけではなく、つかう側にも責任があります。
日本がいかに食べ物を廃棄しているのか?
その実情が気になる方は、目標2飢餓をゼロに|世界が抱える課題/問題/ターゲット/指標の記事をご覧ください。
スーパーなどでお買い得だったのでついつい買ってしまったけど消費期限まで食べられず捨ててしまった、野菜の芯など食べられるのは分かっているけど調理が面倒なので捨ててしまっている、お腹いっぱいになって食べきれなかった料理を捨ててしまっている。
こちらを改善する意識を一人ひとりが持つだけで、世界は変わっていきます。
その意味で消費者は、もはや単に消費をする人ではなく賢く商品を選び大切につかう『生活者』に変わりつつあります。
もちろん一個人がすることは小さなことです。
しかし、その小さなことが合わさって世界を変えていくことがSDGsの根幹であり、これからの新しい時代に必要なことと言えます。
資本主義社会の中でつくる側が利益を求めることは重要なことです。
しかし、やみくもに資源をつかい大量の廃棄物を出しながら利益を求める時代は終わりました。
これからは消費者も広い視野を持ち、変わっていく必要があります。
↓↓フードロスに自分も貢献したいという方:節約できて社会貢献にもなる3つのサイト
社会から食品ロスや廃棄物を少しでも無くしたい!「atara(アタラ)」で買って社会貢献!
家計と地球にやさしいお買い物「junijuni」
食品が60%〜100%OFF(無料)で購入できます
☟その他世界の現実:数値で見る課題・問題
- 世界でも先進国を中心に生産される食品の約3分の1が廃棄されているのが実態です。
- 2018年の段階ですでに地球1.7個分の生産力(資源の供給量)を必要としている。このままいくと地球上の資源枯渇は明らか。
このような課題/問題を解決するためにSDGs目標12つくる責任つかう責任ではどのようなターゲット・指標が設定されているのでしょう?
目標12つくる責任つかう責任 ターゲットと指標
目標12つくる責任つかう責任では、11個のターゲット(具体的な取り組み内容)と、13個の指標(達成・未達成の判断基準/項目)が設定されています。
それでは、どんなターゲットや指標があるか見ていきましょう。
↓初めは数字表記のターゲット及び指標
ターゲット(具体的な取り組み内容) | 指標(達成・未達成はどんな指標で判断?) |
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案し、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、すべての国々が対策を講じる | 12.1.1 持続可能な消費と生産(SCP)に関する国家行動計画を持っている、又は国家政策に優先事項もしくはターゲットとしてSCPが組み込まれている国の数 |
12.2 2030年まで、に天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する |
12.2.1 マテリアルフットプリント(MF)及び一人当たり、GDP当たりのMF |
12.2.2 国内総物質消費量(DMC)及び一人当たり、GDP当たりのDMC |
12.3 2030年までに、小売・消費レベルにおける世界全体の一人あたりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる |
12.3.1 グローバル食品ロス指数(GFLI) |
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する |
12.4.1 有害廃棄物や他の化学物質に関する国際多国間環境協定で求められる情報の提供(報告)の義務を果たしている締約国の数 |
12.4.2 有害廃棄物に一人当たり発生量、処理された有害廃棄物の割合(処理手法別) |
12.5 2030年までに、廃棄物に発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する |
12.5.1 各国の再生利用率、リサイクルされた物質のトン数 |
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する |
12.6.1 持続可能性に関する報告書を発行する企業の数 |
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する |
12.7.1 持続可能な公的調達政策及び行動計画を実施している国の数 |
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする |
12.8.1 気候変動教育を含む地域市民教育、及び持続可能な開発のための教育が、各国の教育政策、カリキュラム、教師の教育、及び児童・生徒・学生の達成度評価に関して、全ての教育段階において主流化されているレベル |
↓ここからアルファベット表記のターゲット及び指標
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力を支援する |
12.a.1 持続可能な消費、生産形態及び環境に配慮した技術のための研究開発に係る開発途上国への支援総計 |
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する |
12.b.1 承認された評価監視ツールのある持続可能な観光戦略や政策、実施された行動計画の数 |
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分に考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改定や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する |
12.c.1 GDP(生産及び消費)の単位当たり及び化石燃料の国家支出総額に占める化石燃料補助金 |
↓↓他のSDGs目標の概要も知りたい・気になるって方に、こちらの記事、置いときますね。
いま世界で何が起きている⁈【SDGs17目標:目標毎に要点解説】
『SDGsに個人で貢献したい!』『興味はあるけど具体的にどうすればいいの?』
こんなかた向けに、『日常生活で個人だからこそできるSDGs貢献』のお役立ち情報を分かりやすく配信していますので、良ければこちらもご覧ください。